オンリーロンリークロウリー(魔術師)

 『禁涙境事件』を読んで気になった箇所があったので、ちょっと確かめようと本棚の奥から前作の『海賊島事件』を引っ張り出してみたら。ああ。


 腐ってました。


 正確に言うと、カビが生えてました。本の小口が真っ黒になるぐらい。帯なんてもうボロッボロになってて、捨てるしかありませんでした。
 もしや、と思って他の本も急いで確認してみたら、やはりというかなんというか、大惨事。あああ、『超人計画』が、『あずまんが大王』が、『西洋骨董洋菓子店』が(最近よしながふみを馬鹿にし過ぎた罰でしょうか)。
『マリ見て』なんて、ファンの婦女子に見せたらその場で泣かれるか殺されるかの二択になりそうなレベルの腐食具合です。いちばんひどかったのは『涼風さつさつ』。もはや「涼風」でも「さつさつ」でもありません。由乃の顔に黒い影が浮かんでました。あまりご機嫌良くはなさそうです。「由乃……恐ろしい子!」一番恐ろしいのは、こんな事態を引き起こした自分自身ですが。


 教訓:本も半年ほっとけば腐る。女性だって腐る世の中だし。


 これに懲りて、毎月24日をキングゲイナーの日本棚整理の日とすることに決めました。多分ひと月後にはすっかり忘れてると思うので、誰か憶えてたらそれとなく教えて下さい。



「ただ一束だけの春菊……尽きやがったか、食料!」
 面白いなあ、畜生。本当は「ただ一度だけの婚姻……嫁ぎやがったか、紀×!」というのも考えたのですが、不敬っぽいのでやめておきました。