『アストロ! 乙女塾!』(本田透/スーパーダッシュ文庫)

 文庫なのに二段組みとか、合間合間にちょっとしたコラムや解説イラストが挿入されたりとか、外側はそれなりに変化球してますが、倉田英之が推薦文で言うほどには中身は壊れていないと思いました。古き良きハーレムラブコメの枠にちゃんと(「ちゃんと」と言っていいのか疑問ですが)収まっているのでは。萌え概念発見以前の、大らかな時代の匂いがします。なんだかんだ言ってみても、やはり青い鳥パターンのラストには安心してしまうという事実を再発見。
 あとがきにおける、


 ≪三次元での僕の経験がいかにアレであろうとも、二次元のキャラクターには罪はない!≫


 という叫びは死ぬほど恥ずかしいけど、一つの真理です。自分の羞恥心に振り回された結果、ものすごい勢いでヤスリをかけてキャラクターのツヤを消すことに必死になってる作家に比べれば全然マシ。