2005-07-17から1日間の記事一覧

『煙の殺意」(泡坂妻夫/講談社)

短編集。 これが、俺が生まれる前に出た本だというのが驚き。ミステリ的な部分だけでなく、文体のセンスも尋常でない。本格ミステリ冬の時代なんて、本当にあったのか? このくらいの時代の小説にありがちな、セックス中心の話があまりなくて良かった。やっ…

『大沢さんに好かれたい。』(桑島由一/角川スニーカー文庫)

作者のバランス感覚の良さは多分、(昔はともかく現在は)オタク文化についての情報収集をしていないところにその理由があるのではないか。いや、今でも毎週末には秋葉可通いを欠かさないような生活を行っている可能性だってもちろんあるのだが、少なくとも…

『続巷説百物語』(京極夏彦/角川書店)

シリーズ二作目。前作に比べると、各短編の間の結びつきが強く、長編小説に近くなっている。くらいしか言うことがない。このシリーズは、ソツが無さ過ぎる気がしないでもない。ちょっとくらいは過剰なところがあった方が愛着が増すのだが。 そうか。山岡百介…