よくわかる現代魔法 ガーベージコレクター』

よくわかる現代魔法 ゴーストスクリプト・フォー・ウィザード』

よくわかる現代魔法 jini使い』

よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた』

桜坂洋集英社スーパーダッシュ文庫

 友人に借りて一気読み。
 どういうわけかシリーズ全体を通して、サプライズが発生しないように意図的に構造をシンプルしているように見える。例えば『jini使い』なんて、いくらでも叙述トリックをしかけられそうな話なのに。安易なこけおどしのギミックを持ち込みたくたくないという事かもしれないが、そのせいで印象が若干地味に。地味なのは決して悪いことではないが。
 秋葉原が舞台になる巻があるということを抜きにしても、『スラムオンライン』と類似したモチーフがちらほらと見える(そもそも『スラム』では、あんまりアキバは関係なかったか)。『ガーベージコレクター』の皆崎達彦は、モロに『スラム』の主人公の原型なんでは。表面的には全く異なる設定の作品だが、実は双生児的な関係にあるのかも。
 実は、味方サイドにおけるちゃんとした現代魔法使いは美鎖一人、という恐ろしい事実にたったいま気がついた。こよみが主人公として設定される以前のプロットでは、美鎖が主人公だったんだろうなあ。