『猫の恩返し』

 金曜ロードショーで。
 思ったよりもジブリ、というか宮崎していなかった。てっきり、もっと宮崎テイストを忠実に再現した、と言えば聞こえがいいが完全にデッドコピーな代物になっているものと予想していたのに。いい意味で裏切られた。非宮崎絵が、ジブリクオリティでぐにゃぐにゃ動いているのを見ると、ある種の倒錯した快感を覚える。
 周囲で散々言われて少々うんざりしてた「バロンかっこいいバロンかっこいい」というのも、実際見てみるとあっさり納得できた。普通の人間の格好したキャラクターがあそこまでやると、単に厭味になるだけだが、猫人形なら許される。そこを見切った製作者(具体的に誰の手柄だか分かんないので、曖昧に表現)に乾杯。主人公と共に落下しながらバロンが「俺(通常の一人称は私)を信じろ!」と叫ぶシーンを見て「『アンジェリーク』のオカマ守護聖が、告白の時だけ男言葉になるのが萌える」と言っていた人を思い出してしまった。脳洗浄しなきゃ。
 全く可愛くないネコミミ少女というのも、これはこれで偉い。反逆、って感じで。