『吉本ばなな自選選集3 Death』(吉本ばなな/新潮社)

 そういえば昔、高校の現国の教師が授業中に「吉本ばななというのはですね、あんなのは所詮少女漫画の世界ですからね!」という、ものすげえ台詞を吐いてたっけなあ、と思いながら図書館で借りた。いきなり3なのは、それしか無かったから。
 漫画自体読んだことがなさそうな人間に、少女漫画の世界云々と言う権利があるかどうかは置いておいて、これが少女漫画的であるのは間違い無い。純文学というジャンルがそもそも、物事を断定する勇気(というか蛮勇)を要求するものなのだから、ある種の傲慢さを持つ(一部の)少女漫画と相性がいいのは当然なのでは。
 それにしたって「わかった」「確信した」「けものの勘」といった思い込みワードの氾濫には、さすがに些かげんなりさせられたが。