『とある魔術の禁書目録6』(鎌池和馬/メディアワークス 電撃文庫)

 現在、手元に本が無いので内容うろ覚えのまま頼りなく曖昧に書く。
 5巻までは笑って許せていた「毎回登場するゲストヒロイン(と、時には敵)を、上条当麻が物理的にも精神的にも救う」というパターンが、五冊もかけてようやく長かった夏休みが終わり、ついに第二部スタート! というところまで来ても全く揺ぎ無く続いているのを見ると、ちょっと怖くなった。この作者が恐らく影響受けまくったであろう同人ゲームのシナリオも、プレイヤーからすれば主人公が複数のヒロインを救っているように見えるが、それはそれぞれ別シナリオ、同一時間軸上のパラレルワールドにおける話であって、だからまあなんとか納得出来なくもないわけで。西尾維新と違って、登場したゲストがその巻で即死亡したりしないから、キャラの数もインフレの一途を辿り中。主人公のあまりの「ヒロイン救いっぷり」が作中でネタにされてるから、作者も分かっててやってるんだろうけど。パンチラ・意図せざる着替え目撃等も恒例になってるが、こっちはそろそろご勘弁を。少なくとも口絵にはしないで。
 やっと、シリーズ全体に関わる設定が動き出しそう。完全に後付けで「実は今までの事件も、全てその準備だったのだ」てことになってたが、これに関しては別に文句はない。適度ないい加減さが、作品をいい方向に転がすこともあるジャンルだからな、ライトノベルは(倒置法)。結果が出てみないことには、何とも言えない。どれだけぐちゃぐちゃでもいいから、とりあえず大風呂敷が畳まれますように!