「ishibaさんって、いつも同じ服着てますよね(笑)」「そうですね。ところで、貴方もたまには脱いだ方がいいですよ、その肉襦袢」


 ろくごまるにろくごまるにと騒いでいたら、どうやら来月は新城カズマの『狗狼伝承』も出るらしいです。アルスラーンの新刊も出たようですし、これってもしかしてカタストロフィの予兆を発見した何者かが、世界の終わりの前に未完のラノベを完結させようと暗躍してるんでしょうか。古人曰く、


 世界の終わり 夢想をして 気ままに遊ばせろ


 それはともかく、せっかくの機会なので『封仙娘娘追宝録』(ろくごまるに)と『狗狼伝承』(新城カズマ)の二つの(大好きな)シリーズの内容を、未読の人に簡単に紹介してみようと思います。


封仙娘娘追宝録
 主人公が見習い仙人なのでてっきりパワーインフレな大雑把仙術合戦になるのかと思いきや「意思があり人型になることが出来る宝貝(パオペエ)」という秀逸なアイディアのおかげで、たいへん筋の通った特殊能力トンチバトル系になっているのだが、あらすじを説明し始めると三秒で「パオペエ? ああ『封神演義』のパクリね(嗤)」と切って捨てられてしまうことが運命付けられている悲劇の似非中華異世界ファンタジー。たぶん『封神演義』の百分の一も売れてない。


『狗狼伝承』
 超泥臭ド根性系女主人公とストイック常識知らずスペシャリスト系(萌え)男主人公という、作者の弟子である賀東招二の大ヒットシリーズ『フルメタル・パニック!』と全く同じキャラクター配置でありながら、序盤の地味展開と作者お得意の衒学趣味とタイムパラドックスを絡めた複雑な設定のせいか、ラブコメ大好きな富士見ファンタジア読者に完全にスルーされてしまった悲劇の現代チャンバラSF伝奇。たぶん『フルメタ』の千分の一……は売れてると思う。




 うーん、やっぱり大好き!