『サイクロンZ』

 すっげえ面白かった。


 深夜にテレビでやってました。ジャッキーチェン主演。他の情報は一切知りません。サモハン・キンポーらしき人がいましたが、スタッフロールに字幕が付かなかった上に、そもそもサモハン・キンポーについてよく知らないので、あの小太りでおかっぱでヒロインの一人にスパナで殴られて頭から血を流していたカンフーの達人がサモハン・キンポーだったのかどうか、はっきり断言出来ません。


 あらすじ。マフィアの経営する工場からの排水で水質汚染の被害を受けた魚の養殖場が、工場の操業停止を求めて裁判を起こします。ジャッキーはマフィアに雇われた弁護士。この設定がどう活きるのかというと、終盤の法廷シーンで証人である水質学者(ヒロインの一人)にジャッキーが「僕のことを愛していますか?」と尋問したりするわけです。続けて「嘘をつくと偽証罪に問われますよ」と念まで押す始末。しかも判事は全く止めねえし。寧ろ煽ります。最高。


 全体的にキャラ立ちが異常です。ジャッキー(役名です)の友人(声:古谷徹)である青年は、生真面目すぎて世間と折り合いが悪くノイローゼになってカウンセラーに通っているカンフーの達人ですし、髭の生えた横山やすしみたいな顔をしたマフィアのボスは、常に葉巻を咥えていて激しいアクションの後にヘンなポーズをとって過剰にスパスパしてみせるカンフーの達人、ついさっきまで作業着を着て麻薬の調合らしきことを行っていたからてっきり単なる工員かと思っていた目つきの悪いガタイのいいおっさんは、何故か組織最強のカンフーの達人でラスボスでした。ビバ・カンフー。


 その場にある適当な物を使った臨機応変なアクションとか、スタッフロールの脇で流れるNG集とかも当然ありました。当然、と言えるほどにはジャッキー映画について詳しくは知らないのですが。ジャッキーといえば昔、友人と会話している時に「ジャッキーがさあ」と切り出したら「おまえは一体、ジャッキーのなんなんだ」と返されたことがありました。いま思い返しても、ちょっと背筋が寒くなります。おまえこそ一体なんなんだ。