『封仙娘娘追宝録9 刃を砕く復讐者(下)』(ろくごまるに/富士見ファンタジア文庫)

 帯のコピーは「伝説復活!」。もっと奇抜なので来るかとも思いましたが。「どうもすいませんでした」とか。


 表紙イラストの構図は、ちゃんと上巻と対になっています。ちゃんと、と軽く書きましたが、これがどれだけエラいことなのか、深く考えると気が遠くなりそうです。
 和穂の眉毛が太くなっているかどうかは、意見が分かれるところでしょうが(個人的には太くなっていると思います。表紙とか特に凄い)、本文中で「眉毛の女」と表現されている箇所があるのはやり過ぎではないでしょうか。見開きの口絵に引用までされてるし。
 内容について。この期に及んでこんな話をやるのかと訝っていたら残り30ページくらいで、ああなるほど、なるほどねえと深く納得。そして最終的には「この状態でまた六年間待たされたりしたら余裕で死ねる」。逆ですね。読むまで死ねないのか。
 次に分厚いのを出してちょうど10巻で綺麗に完結、という予定になっているのなら、それはなかなか悪くないと思います。あとは死ぬまで奮闘編を書き続けてくれれば言うことなしです。『食前絶後2!』というのも捨て難いですが。


・私信 S氏へ
 ラストの轟武の台詞、変な言い回しが妙にかっこいい。自分でも使いたくなりますね。「ただ一日だけの休日……取りやがったか、有給!」とか。