『女王様と私』(歌野晶午/角川書店) 『てるてるあした』(加納朋子)

 なんでこの二冊を並べて書くのかというと、ミステリ的な要素とは全く関係がなく、どちらもニートにとってクリティカルな内容だから。鎌池和馬風に言うと「とある推理の無職殺し(ニートキラー)」とか。どうでもいいよそんなの。


 『女王様』の方は、これって釣りなんじゃねえの、と疑ってしまうくらいステレオタイプに「オタク」「ひきこもり」「無職」「ロリ」を一括りにした上で、死ね死ね死ね死ね死んじまえと今どき珍しいくらいにストレートにやってくれていて、思わず溜め息が出ました。中和するために倉知淳が読みたくなった。
 これはこれでもちろん辛いというかムカつくのですが、作者に対して反感を持てるだけまだマシというもので、『てるてる』はもう、土下座して生まれてきてすいませんと絶叫し続けるしかない内容。なんかね、ケーキを食べればいいじゃない的な無邪気さで、「え? 何であなた達は働かないの?」と問いかけてくるわけですよ、行間から。しかも、恐らく100%善意で「こんな風にやってみたらどうかしら?」という提案までしてきやがって、だからそれが出来れば誰もニートになんかならねえんだってば。これだから光の当たる道を歩いてきたオナゴ様は!