『BUSIN wizardry Alternative』(アトラス)

 三百円だったので、ついカッとなって買った。今は反省している。しかし後悔はしていない。そんな感じ。


 これがウィザードリィなのかというと、さすがにどうだろうと首を捻るし、かといってオリジナルのダンジョンRPGとしては地味過ぎる部分も多々あり(五種族、八職種。変なところで原作に忠実です。せめて外伝で追加された要素もフォローしてくれれば)、どうしても中途半端に見えてしまいます。三百円は安すぎる(『アンリミテッドサガ』の方が高いなんて!)とは思いますが、クリア後にそれ以上やりこむ気が起こらないのも確か。
 しかしシナリオ、というか設定は素晴らしい。仮にも『ウイザードリィ』の名を冠したRPGで、こんなウエットなシナリオをやってしまうなんて。怒る人は怒るだろうけど。そういえば、最近読んだあるミステリが(拡大に拡大を重ねた拡大解釈をすれば)似た設定だったのですが、やはり拒否反応の方が多かったようです。そんなに駄目かなあ。
 細かいところですが、ランダムジェネレート系のダンジョンは、ウイザードリィに限らず3DダンジョンRPG全般にそぐわないと思います。『BUSIN』では数回(階)分しか採用されてないのでまだマシですが、それをメインに据えてしまった『ウイザードリィエクス』なんて一体どんなことになってるのやら。他人事ながら心配です。