『紅楼夢の殺人』(芦辺拓/文藝春秋 本格ミステリ・マスターズ)

 ミステリの人達にさんざん褒められている作品らしいので、たぶん他に誰も書いていないようなことだけを箇条書き。


・作中で「美少女」という単語が頻出して、見るたびに目が一瞬止まってしまう。非オタの人間は何の屈託もなくこういう単語を使えるのだと、分かってはいるのだが。


・インタビューで「『男より女、それも少女たちの方がはるかに貴い』と言い切る貴公子・賈宝玉は、近代的な思考の持ち主ですし」と言ってるが、そうかあ? それって(フィクションに)よくいる大間違いフェミニズム馬鹿男では。


田中哲弥が、日記でこの作者について書いていたことを思い出した。確かによく喋りそう。


・全面的に同意するわけではないが、メタ・ミステリに関する主張は筋が通っていると思う。実際、言ったとおりの作品を書いているわけだし。