『太陽の簒奪者』(野尻抱介/早川書房)

 SF、と言えば当然「シャイニング・フォース」の略。というような俺のような人間でも楽しめた。説明の無い単語は、全てマクガフィンだと思って読んだが。


・よくわからんのだが「用語が多少分からないアホでも、ちゃんと飽きずに最後まで読める」というのは、この作品(あるいは作者)に限った長所なのか、それとも優れたSF全般について言えることなのか。単に、文体が平易だということだったりして。


・面接官の「少なくとも一人は女性にしないと」「わかってるさ。嫌な仕事を引き受けたもんだ」というやり取りを読んだ時、勝手に妙な勘違いをしてしまって汗をかいた。予想が外れて本当によかった。


人工知能と地球外知性を並置するという構図は「戦闘妖精 雪風」でも見られたが、SFではごく一般的なことなんだろうか。


 こういう「そのジャンルでの常識」を必要以上に気にするような読み方は、やめたほうがいいのかもしれない。健康のために。