『サマー／タイム／トラベラー２』（新城カズマ／ハヤカワ文庫)

　完結。
　大筋の展開は、予想通り。というか予告通り。しかし、それをあまり悲劇として描いていない点に注目。注目したからといってどうなるものでものないが。
　章の間に挟まれる地図の意味が、読み終えてから漸く分かった。ような気がする。つまり、一番最後の地図を見せることが目的だったのではないか。
　この作品ってやっぱり、この作者の、セカイ系的なものに対する回答なんだろうか。少なくとも、全く意識していないとは言わせない。エピローグにおける主人公とヒロインの関係は、女子には普通のセカイ系にも増して嫌われそうだが。
　まだ読んでない人間に何を言っても無駄な類の本であることは間違いないので、本質的なことについては何も語らないことにする。いつもそうか。