『BG、あるいは死せるカイニス』(石持浅海/東京創元社ミステリ)

 あらすじを誤読して、単純に男女の立場が入れ替わっただけの世界観だと勘違いしてた。そのおかげで、中々手が伸びなかった(「そんなしょうもねえ勘違いフェミの臭いのする本なんて読めるか!」)のだが、実際の設定はもう少し複雑だった。俺も悪いが、あのあらすじ書いた奴も絶対に悪い(作者本人だったらどうしよう)。
 舞台設定が過不足なくミステリに奉仕してて好感がもてる。以上。なんだかよく出来すぎていて、あまりあれこれ言う気にならない。いいことではあるんだろうが。「BG」という言葉が、直後に読んだ『ビートのディシプリン』の「カーメン」のように、登場人物みんなでてんでばらばらな定義をされていたのが、個人的には面白かったが。