『うそつき 〜嘘をつくたびに眺めたくなる月〜』(日日日/新風社文庫)

 貸してくれた(本人の中では「あげた」ことになってるらしいですが)人が、物凄い勢いで罵倒していたので、一体どんな核地雷なのかと期待しながら読んだのですが、思ったよりはおとなしかったです。確かに普通に読んだら死ぬほどイライラさせられる文体と内容ではあるんだけど、それはあくまでも語り手が「大馬鹿な女子高生」であることを存分に表現するための方策なのでは、とも思えたのであまり気になりませんでした。
しかし、


 ≪お月様大好き。いえーい。≫


 という文を読んだ直後、本を壁に叩きつけて両足で三回踏んでからフライパンの上で灯油かけて燃やす人の気持ちは分からないでもないです。
 てっきり『ちーちゃん』系かと思ってたら『先輩』系で、それが一番意外でした。